郁文堂書店再生プロジェクト

郁文堂書店再生プロジェクト

INDEPENDET WORK

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クラウドファンディング

プラットフォーム:CAMPFIRE https://camp-fire.jp/projects/view/12383

プロジェクト期間:2016.11 - 2016.12

目標額:80万円

達成額:100万円

支援者数:148人

 

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担当者:OF THE BOX追沼翼 + 芳賀耕介

リターン協力:荒井良二・喫茶白十字

プロモーション協力:ナカムラクニオ

 

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ソトコト2017年8月号

ことりっぷ山形

全国 旅してでも行きたい街の本屋さん

TURNS vol.40

プロローグ

2016年、馬場正尊研究室の夏季休業課題として「空き物件のリノベーションを妄想せよ」というテーマが与えられた。私たちが選んだ物件は、山形市のシネマ通りにある郁文堂書店という、少し不思議な建物だった。シャッターが閉まっているのにも関わらず、朝顔のグリーンカーテンが咲く姿に私たちは心を奪われた。 シネマ通りは、かつて6つの映画館が立ち並ぶ文化の拠点で、朝から晩まで賑わっていた。郁文堂書店は、その時代の文化人たち、斎藤茂吉や司馬遼太郎、井上ひさしなどが訪れ、単なる書店ではなく「郁文堂サロン」として親しまれていた場所だった。ここでは、本を売買するだけでなく、お茶を飲みながら談笑する場としても機能していたのだ。 

そんな歴史を聞くうちに、この書店を閉ざしておくのはもったいないと感じた私たちは、妄想プランと共に郁文堂書店の1日限定復活を提案。山形ビエンナーレの最終日には、プログラムディレクターのナカムラクニオ氏の協力のもと、「無人書店7次元」というイベントを開催し、100名以上の来場者を迎える予想以上の成功を収めた。このイベントをきっかけに、本格的なリノベーションの可能性が見えてきた。

 

つながりを生む文学の拠点

山形ビエンナーレでの1日限定復活を受け、「新生・郁文堂書店」の計画が始まった。コンセプトは「人と人のつながり」から生まれる「人と本のつながり」、そしてその逆もまた然り。かつての郁文堂サロンのように、本の売買だけではなく、本を媒介にして新しい出会いやつながりを生み出すことが目標だ。

そのための資金調達としてクラウドファンディングを実施したところ、絵本作家・荒井良二さんも、学生時代に郁文堂書店でマンガを購入していたという縁から協力を申し出てくださり、100万円以上の支援を集めることに成功した。

 

知識の本棚がつなぐコミュニケーションの場

私たちが最初に考えたのは、本を通じたコミュニケーションの場を作ることだった。そこで「知識の本棚」という仕組みを考案し、書店内にレンタル本棚を設置。それぞれがおすすめの本を並べ、街に知識を蓄積していける仕組みだ。「本棚を見ればその人がわかる」と言われるように、本棚を通して自分の興味や趣味が伝わり、自然とコミュニケーションが生まれることを期待している。