Staghorn Records Analog Media Cafe
CLIENT WORK:Staghorn Records
date
リノベーション
所在地:宮城県仙台市青葉区一番町
用途:店舗(飲食店・物販店)
構造:RC造
竣工:2026.05
プロジェクト期間:2026.01-2026.05
施工期間:2026.03-2026.05
credit
担当者:OF THE BOX 追沼翼
施工:荒大工
グラフィックデザイン:福田真子
撮影:堀内敦央
リメディエーション(再媒介化)
メディア論におけるリメディエーション(再媒介化)とは、新たなメディアの登場によって既存のメディアが消失するのではなく、その役割や意味を変えながら存続していく現象を指す。
本計画で扱うレコード、カセットテープ、書籍といったアナログメディアは、ヴァルター・ベンヤミンが指摘した「複製技術の時代」を象徴する存在であり、大量生産によって文化や情報を広く流通させてきたメディアである。
今日では、デジタル技術の進展により、音楽や書籍は極めて容易に複製・流通し、同一のデータが無限に共有される「超複製性の時代」にある。一方で、物理的なメディアを手に取り、重さや手触り、経年変化やノイズを含めて体験する価値があらためて見直されつつある。
本計画は、こうしたアナログメディアの再評価を単なるノスタルジーとしてではなく、現代のメディア環境において再媒介するための空間として構想したものである。
スケルトンカルチャーと工業製品
工業化と大量生産の過程で生まれた均質な建材や素材に着目した。これらを本来の用途や文脈から切り離し、素材が内包する時代性や構造を批評的に再提示することを試みている。
居抜き物件という条件のもと、既存の空間やコストと向き合う中で、スケルトンデザインを採用した。カセットテープや携帯型音楽機器に見られる内部構造を可視化する「スケルトンカルチャー」を参照し、LGSや配線といった通常は隠蔽される要素をあえて露出させ、構成そのものをデザインとして扱っている。
また、倉庫などで使用される工業用ラックを什器として採用することで、将来的な増設や再構成に柔軟に対応できる計画とした。使い手自身が什器を追加し、空間を更新していくことが可能である。こうした可変性は、アナログメディアが持つDIY的な文化と呼応するものであり、空間そのものがその思想を体現する装置となっている。
