PARKING JACK
INDEPENDENT WORK
date
駐車場活用
所在地:山形市旅籠町
用途:イベント
時期:2018.07
credit
担当:OF THE BOX 追沼翼
協力:EVERY DENIM・LEBECCA boutique
撮影:Natsumi Ohnami
プロローグ
車のための街か?それとも人のための街か?
近年、全国的に空き家や空き店舗の解体が進み、更地が増加している。山形市中心市街地でプロジェクトを進める中で、一帯に多くの駐車場が存在していることに気がついた。この状況に疑問を感じ、山形市の駐車場事情を調査してみると、その数は年を追うごとに増加し続けていることが判明した。七日町周辺には市役所、病院、銀行など大規模な施設が多いため、十分な数の駐車場が確保されているのにも関わらず、コインパーキングが増加している現状がある。もちろん、山形は車社会であり、駐車場は必要不可欠なもの。しかしながら、その需要を考慮しても、大きな理由として挙げられるのは、経済的な合理性。駐車場は相対的に資金的負担が軽く、利益を生みやすいため、地主にとっては魅力的なビジネスモデルとなっている。
では、まちとして駐車場を増やしていくことが正しい方向性なのだろうか。わたしたちはそのような現状にポップに問題提起を進めたいと思った。
PARAKING JACK構想
『PARAKING JACK』は、駐車場を新しい視点でとらえ、「レンタルスペース」として活用し、様々なイベントを展開する試みである。
駐車場に車を入れるときにチケットをとり入場し、出る際にお金を支払うコインパーキングの仕組みを応用して、入場料制のイベントを構想した。この構想は、駐車場オーナーに収益をもたらし、同時に会場費の支払いも可能にするものであった。しかしながら、大手コインパーキング会社では利用規約上、実現がかぎりなく難しい状況であった。
PARAKING JACK
諦めずに調査を進める中で、山形市の中心市街地に土日にほとんど活用されていない空間をみつけた。それは銀行が所有する駐車場である。銀行の駐車場は通常、平日に銀行業務で利用される一方で、土日にはほとんど活用されていない。この未活用のスペースを有効に活用すべく、かたちを変え『PARKING JACK』を開催することにした。
シネマ通りマルシェと同日開催し、EVERY DENIMとLEBECCA boutiqueを招いて即興的なイベント&マーケットプレイスを構成。駐車場が賑やかで活気ある場所へと変え、タイムマネジメントによる新たな空間の活用方法を提示することができた。