郁文堂書店TUZURU

INDEPENDENT WORK

 

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リノベーション

所在地:山形市七日町

用途:店舗(書店)

構造:木造

竣工:2017.05

総工費:90万円

 

credit

担当:OF THE BOX 追沼翼 + 芳賀耕介

施工:トップアートセクション

DIYワークショップ:荒達宏

撮影:斎藤哲平 + 吉木綾

 

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ソトコト2017年8月号

ことりっぷ山形

全国 旅してでも行きたい街の本屋さん

TURNS vol.40

プロローグ

郁文堂書店は、商店街に位置する昔ながらの店舗兼住居である。2007年に閉店してからは、在庫や物置として利用されていたが、2016年の山形ビエンナーレでの1日限定オープンをきっかけに、再び「郁文堂サロン」として街に開かれた場所としての復活が始まった。この再生プロジェクトには、クラウドファンディングで集めた80万円と自己資金を合わせた合計90万円の予算が使われた。職人による新しい壁の設置と電気工事が行われ、それ以外の部分はDIYで手作りした。

 

郁文堂サロンの復活

今回のプロジェクトでは、店舗と住居が連続する空間を活かし、オーナーの居間として、また町のサロンとして、街に開かれる場所を目指した。特に、より深いコミュニケーションが生まれるように、靴を脱いでゆっくり過ごせる小上がりスペースを設け、古書の売買に留まらず、心地よく談笑できる空間づくりを重視した。また、店舗が持つ歴史を感じさせるノスタルジックな雰囲気を残しつつ、木材の暖かみや豊かな風合いを活かすため、塗装された壁をやすりがけし、当時の杉材の壁を再び現し出す工夫も施した。さらに、かつてこの場所が「シネマ通り」と呼ばれていた文脈を活かし、住居と店舗の境に真っ白な壁を設置。この壁は、上映会などのイベントにも活用できるように設計している。