Day & Coffee

INDEPENDET WORK

 

date

リノベーション

所在地:山形県山形市香澄町

用途:店舗(飲食店)

構造:RC造

竣工:2019.06

総工費:440万円

 

credit

担当:OF THE BOX 追沼翼

グラフィックデザイン:青柳美穂

施工:株式会社フォルム

DIYワークショップ:荒達宏、芳賀耕介

撮影:Atsuhisa Horiuchi

 

award

LOCAL REPUBLIC AWARD2020 優秀賞

インタウンの建築家を目指して

学部3年時より商店街に関わりプロジェクトを行なっていくなかで、商店街のようなミクロなまちづくりを仕事にしていきたいと考えるようになった。しかしながら建築家やデザイナーが介入しようとも、そこには予算もないため仕事が生まれにくいという現実に直面した。大学院生になり、デザイン事務所を法人化。さまざまなプロジェクトを進めていく中で、キャッシュフローに悩むようになった。仕事はあるものの、着金が遅れることもあった。そのため、別の収入源を得る必要性を感じていた。 建築家の処女作は自邸を建てることが多いが、投資回収の目処もない、とんでもない宣伝広告費のように思えた。店舗を処女作として、投資回収できるものにすることで、新しい建築家の創業モデルになり得るかもしれない。そして同時に、店舗を持つことによって事業者として商店街のまちづくりに関わるためのメンバーシップが得られると考え、もう1つ会社を創業したのである。

 

お客様の先付け

「お客さんが来なかったらどうしよう」という開業前の不安を払拭するため、資金調達と潜在的な顧客を可視化するためのクラウドファンディングを実施した。返礼品として店舗で利用できるコーヒーチケットやフードチケットなどの飲食特典を設けた。結果として、開業前から52名ものお客様を先付けすることができた。これにより、開業後の不安を軽減し、事業の成功に向けた前向きなスタートを切ることができたのだ。

 

既存躯体をいかし、内外を接続したコーヒースタンド

元呉服店のショーケースを有効活用することで店内の雰囲気を街路からも見えるオープンな空間を目指した。外からも気軽にコーヒーを購入できるようにテイクアウトカウンターを設置。さらに、内外の空間を連続するようにカウンター全体を木毛セメント板で仕上げた。セットバックした軒下に触れる緑と家具を配置し、店内と街路の境界を曖昧にして滞留空間を生み出した。